1月18日、母校にお邪魔してきた。

愛知県立大学。長久手市のモリコロパーク(愛知万博の会場)の隣にある。
この校舎ができた年に受験したので、当時は新品の校舎を見て「なんてきれいな学校!」と感激したのだけれど、さすがにあちこち古びてきている。
一方で、いつの間にかATMとか見慣れない機械が設置されていた。学食も私がいたころよりずっとおしゃれだったし。いいなあ。

今回の目的は、恩師のゼミ生に翻訳の話をすること(4回目)。
お世話になった教授から声をかけてもらっていたんだけど、その教授はこの春で定年を迎えるため、おそらくこういう話をするのも今回で最後。
私なんかが何を話せるのやらと自分でも毎回思っているけれど、ベテランではない私の話だからこそ翻訳を身近に感じてもらえるのかなと腹をくくって、むしろ積極的に駄目な話をするようにしている。

(何回話しても、台本を作らないと緊張しちゃう)
今回も、先日取り組んだばかりの書籍翻訳の話をした。
いかに打ちのめされたのか、もっと力をつけたいようという話をしまくった。
夢のある若者にこんな話でよかったんだろうか。でもこれが今できる話だったんだから仕方ない。
皆うんうんと頷きながら最後まで聞いてくれたし、本音の質問も次々にいただけたし、きっとよかったんだと信じて反省会は少しだけにしておこう。

一緒に写真を撮るのは初。本当にありがとうございました!

さて、私の恩師の松本三枝子教授はこの春で定年。
来月、その最終講義が一般公開される。

エリオットはT.S.ではなくジョージ。
松本先生の授業を受けなければ、私は今も絶対に『ミドルマーチ』を読んでいなかった。
オースティンやブロンテ姉妹なら大人になってから挑戦したかもしれないけど(いや…どうだろう。それも怪しかったかも…)、ジョージ・エリオットの面白さを知ることは今もなかったに違いない。
文学を勉強するために大学を選んだわけじゃなかったのに、今一番残っているのは19世紀の女流作家の作品。
ああそうだ。カズオ・イシグロを初めて読んだのも、松本先生の授業だった。たしかブッカー賞の作品を読むという授業だったはず。
ハリエット・マーティノーは1冊も読んだことがない。参加前に読んでおこうっと。

ポスターを見ているだけでわくわく。
もし同じご縁のある方がいらっしゃったら、当日はぜひお会いしましょう。

【追記】
その後調べてみたら、ハリエット・マーティノーは邦訳がないんですね…。
と思いながら我が家の本棚をのぞいてみたら、

その松本教授が著された研究書があった。しかも2冊も…!
代わりにこれを読んでおこう。買っていたのに読みそびれていた…申し訳ない…。